アーカイブ:2015年2月

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メカ

古い加湿器を新しいのに替えた。古いほうをリサイクルに出そうと思ったが、メカを見ていると、これを工夫して造った人たちのことが心に浮かぶ。苦心を偲ぶとかいうのではない。造るが創るに通じる面白さがあっただろうと想像するのだ。メカをアートとして見てしまうのだ。

子どものころから機械が好きだった。頭も理系ではないし、手のほうも不器用だから、もっぱら眺めて楽しむほうだが、機能に関係なくメカニズムそのものの美しさに魅力を感じることが多く、何に使うのか分からない機械製品を古道具屋で買ったりしている。

『機械の素』という本も買って持っている。趣味で古いラジオを修理していたころの名残の部品、ネジ類、ラグ板、端子なども未練がましくまだ捨てていない。メカはメカでも中身が見えないブラックボックスには、私は反感を抱いている。(俊)

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新刊ラジオ『しんでくれた』視聴できます

今日は、俊太郎さんの朗読とインタビューを
お使いのPCやスマートフォンから、無料で視聴していただける
「新刊ラジオ」のご案内です。

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話題の本を耳で立ち読み!「新刊ラジオ」
http://www.sinkan.jp/radio/radio_1763.html
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2014年に刊行された『しんでくれた』(佼成出版社)は、
俊太郎さんの詩と、塚本やすしさんの絵で構成された詩の絵本。
食べることと生きること、いのちのつながりについて考える、
親子で一緒にお楽しみいただける1冊です。

ぜひ、俊太郎さんのインタビュー&朗読とともに
本を手に取っていただけたらと思います。
担当編集者、鈴木亜紀さんからもコメントをいただきました!
こちらもぜひご覧ください。 (スタッフ 川口)

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食べ物となる牛や豚たちは、「しんだ」のではなく、「しんでくれた」。
インタビューでは、この言葉が出てきた背景なども語っておられます。
「今、子どもたちが死というものを見る経験がないから、ハンバーグのお肉が牛であったことに想像力がはたらかなくなっている」と、谷川先生。
生き物の命をいただいているのだから、私たちはしっかりと生きていこう。
そんな力がわいてくる絵本です。
ぜひ谷川先生の肉声でお聴きいただきたいと思います。
(『しんでくれた』担当編集者:鈴木亜紀さん)

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原題と邦題

フランク・シナトラ、シャーリー・マクレーン主演の「走り来る人々」という映画があった。観たけどほとんど印象に残っていない。ところが不思議なことに原題の〈Some Came Running〉というのが、50年以上たった今も頭から離れない。その3語の英語に感動して、映画の内容とは関係なく胸がいっぱいになったのを憶えているからだ。

邦訳された〈走り来る人々〉には何の感動もなかった。違う訳だったらどうかと思って考えてみた。〈走ってきた人たち〉〈何人もの人が走ってきた〉〈中には走ってくる者もいた〉、日本語にすると原語の詩的と言ってもいい感じがなくなってしまう。詩の翻訳が難しいのもよく分かる。英語に堪能なわけでもないぼくが、その3語にいったい何を感じとったのか、言葉が我々に与えるのは意味だけではない、もっと謎めいた何かがある。

ところでぼくはシャーリー・マクレーンの大ファン、同時代をともに生きてきた同世代という実感がある。「噂の二人」「愛と追憶の日々」「不機嫌な赤いバラ」「夕べの星」……デビュー60周年記念の「エルサとフレッド」、DVD待たずに観に行こうかどうしようか。(俊)

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