アーカイブ:2013年9月

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パジュにて

パジュにいます、韓国です、こっちへ来ても雨男です。
パジュは〈bookcity〉本の街です。9月28日から10月6日まで、いわゆるブックフェア開催中。昨日は雨の中、歯切れのいいパーカッショングループが大音響で熱演、花火も揚がりました。〈ワッハワッハハイのぼうけん〉と〈ここからどこかへ〉の韓国語版が出たのが縁で来たのですが、そのハンギル出版社の社主キム・ウォンホさんの只ならぬパワーに驚嘆、本の世界にとどまらないそのスケールの大きさは、残念ながら立ち話では到底すまない。

私が泊まってるゲストハウスの部屋の名は、〈Yoon ki Lee〉、物故した有名な翻訳家だということです、他の部屋にもそれぞれ名前がついていますが、どうやら詩人は一人もいないらしい。今日はこれから日本でも詩選集『ラクダに乗って』(クオン)が出版されている、申庚林さんと対談します。
2013/9/29 (俊)

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木版画家・池田修三さんのこと

秋田県が発行する、『のんびり』というフリーマガジンをご存知ですか?
さまざまな人を基軸に、「あきたのほんとう」をまっすぐ伝える――
それが『のんびり』のコンセプトです。

そんな『のんびり』第3号で特集され、大反響を呼んだのが、
秋田出身の木版画家、池田修三(1922~2004)さんの記事。
その作品は、銀行通帳や広報誌の表紙などを通して、
彼の地元である秋田を中心に、“暮らしのなかのアート”として
長く愛されてきました。

もっとたくさん、修三さんの作品が見たい!
修三さんの世界を堪能したい!というたくさんの声に応える形で、
『のんびり』第5号から新しく始まったのが、
さまざまな詩人たちによる書き下ろしの詩と共に
修三さんの作品を楽しめる連載、その名も「詩修(ししゅう)」です。

第一回目の詩を、俊太郎さんが書き下ろしました。
『のんびり』第5号、ぜひ手に入れてみてくださいね!

そして、修三さんファンに朗報です。
大阪・梅田のHEP HALL(~10/7まで)と、
9/27からは東京丸の内と表参道の「かぐれ」にて、
「池田修三展 センチメンタルの青い旗」展を開催します。
展示やイベントの 最新情報は、オフィシャルサイトからどうぞ。 http://www.shuzoikeda.jp/

また、池田修三さんの初めての作品集、
『池田修三 木版画集 センチメンタルの青い旗』も刊行されたばかり。
ナナロク社から出ています、ぜひご覧ください。 (川口)

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ちひろ美術館・東京 長新太展へ

9月14日(土)、俊太郎さんとともに、上井草にある絵本の専門美術館、
ちひろ美術館・東京」に行ってきました。

ちひろ美術館では、絵本画家いわさきちひろさんの作品だけでなく、
世界各国の絵本画家たちの企画展なども開催されています。
2011年には「谷川俊太郎と絵本の仲間たち展 堀内誠一・長新太・和田誠」という展示もやった俊太郎さん。久しぶりのちひろ美術館へは、
杉並のご自宅から路線バスに乗って向かいました。

現在ちひろ美術館では、俊太郎さんの“絵本の仲間”の一人でもある
長新太さんの貴重な絵本原画約100点が見られる
企画展、
「ずっと長さんとともに―長新太が描いた子どもの本」を開催中なのです。

この日は、長さんの描いた子どもの本について、
松本猛さん(ちひろ美術館常任顧問、絵本学会会長)との
対談イベントが開催されました。
長さんと交流のあった二人が、スライド資料や朗読も交えて
長さんのことをたっぷりと語りあい、充実したひとときとなりました。

「長さんは、意味というものを自分の中ではっきり確立しているからこそ、
すばらしいナンセンスなものが描けるんです」
という俊太郎さんの言葉がとても印象に残りました。

展示室内は撮影禁止ですが、展示室入口では、
こんなふうに長さんの絵と一緒に記念撮影もできますよ♪
対談相手の松本猛さんと一緒にパチリ。

 

「ずっと長さんとともに―長新太が描いた子どもの本」展は、
ちひろ美術館・東京にて10月27日(日)まで開催中。
どうぞお見逃しなく!
松本猛さんとの対談の模様は、ちひろ美術館のブログでも
お読みいただけます。ぜひご覧ください。

ところで俊太郎さんの着ているTシャツ、「3」と「5」なのですが、
さてその間にあるものはなんでしょう??
この数字、実は文字で出来ていて、しかも詩になっているのです。
なんとも粋なTシャツですよネ。
Tシャツはこちらでご覧いただけます。 (川口)

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椅子

椅子が来た、トネリコの木の椅子、とても軽い、その名もスーパーレジェーラ。これまで家でいったい何脚の椅子に腰掛けたことだろう。祖父が使っていた籐椅子、自作の庭椅子、アメリカから持って帰ったカウチ、黴が生えてしまったメキシコの白木の椅子、寝室で衣類の置き場になっているディレクターズチェア、一目惚れしたのだが座ると不安になる回転椅子、安物から結構な値段の物まで、みな自分で選んだ。

一点ものもある、釧路の勝水喜一さんが作ってくれた〈詩人の椅子〉。固いがなめらか、座面に微妙なくぼみがあってお尻が安定する。だがこれに座って詩を読んだことはあるが、書いたことがない。椅子負けしているのかな。年とってきたら、柔らかい椅子がかえって腰にくるようになったが、別に不満はない。

私の詩の中のいすは〈いちどでいいからいすにすわってみたかった〉と言いながら死ぬのである。 (俊)

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