アーカイブ:2012年7月

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かすかに川音が聞こえる。街灯もないから家の中の電気を消すと、本当に真っ暗闇。熊が現れたらどうしようかと考える。熊と面と向かっても平静でいられるような人間になりたいと思うが、まだまだ修行が足りない。と言うよりぼくは大体修行と呼べるようなことは、何一つしたことがない。普通に毎日を生きているのも、一種の修行になっているのかもしれないが、その成果ははなはだ心許ない。

ガラス戸に蛾がぶつかってばたばた音を立てる。寝る前になにか音楽を聞こうかと思うが、この自然の静寂を人が作った音で乱すのはもったいないような気がする、たとえそれがモーツアルトであっても。 浅間山麓にて。(俊)

 

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DVD「詩人 谷川俊太郎」発売

60年以上にわたり、日本語と向き合い、詩を書き続けてきた俊太郎さん。
自らの詩作や半生について語り、各地での朗読会や活動の様子を丹念に映した
貴重な映像記録が、このたび紀伊國屋書店よりDVD化されました。
これだけの密着取材による俊太郎さんの映像は、
とても珍しいのではないでしょうか。

「私自身が出てくるのが始めのうちは照れくさかったのですが、見ているうちに我を忘れて(笑)楽しんで見るようになりました。映像作品としての完成度がそうさせたのだと思います。制作にかかわった皆さんの熱意と詩に対する愛情に打たれました。――谷川俊太郎」 (DVDコメントより)

【DVD構成内容】
1、青春の詩
「自己紹介」「二十億光年の孤独」「かなしみ」
『二十億光年の孤独』出版のいきさつ

2、現代詩の前線へ
「鉄腕アトム」「鳥羽1」「生きる」
他者と自分について

3、ことばあそびうたからひらがな詩へ
「かっぱ」「ばか」「ゆうぐれ」「さようなら」「たかいひくい」
“おいしい”詩をさがして

4、えほんのふるさと
「あな」
絵本をはじめたわけ

5、カミソリ一枚の距離感
「ポエツリー」「ポエミクロ」「ポエグラム」シリーズ
時代性について

6、いのちの表情
「さようなら」「百三歳になったアトム」「朝のリレー」
歳を重ねて

全編を彩る音楽は、息子・谷川賢作さんによるもの。
発売は2012年7月28日、ただいま予約受付中です。
(収録時間59分/カラー/発売・販売元:紀伊國屋書店)

予約・詳細はこちらをご覧ください。
■紀伊國屋書店 Forest Plus
http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/710486

 

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2012/7/6 14時35分

いま東京渋谷のヒカリエ8階にいます。
ガラスの向こうを人々が通って行きます。
立ち止まって私のほうを見つめる人もいます。
動物園のパンダってこういう気持ちなのかなあ、話しかけてくれると人間に戻れるんだけど。

あ、いま、赤ちゃんを抱いたお母さんが握手してほしいってやってきた、アクシュー! うー、赤ちゃんの手って超気持ちいい。生まれたての気をもらった、ありがとう。

みんな遠慮してるみたいだから、いま看板立てた、〈いつでも話しかけて下さい〉お、きみ真剣だね、朗読会でのQ&Aタイムと違って、1対1で話せると話が深くなる。夕方から朗読会もあるんだけどもう満員御礼、ごめんね。あーだんだんお客さんが増えてきて、サイン会になりつつある……。(俊)

 

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