本 3

本には書き込みはしないが、ときどき傍線は引く。定規で引く人もいるが、あまり真っ直ぐな傍線は味気ない。傍線を引いた一節に対して感じた心の揺れが、どこかへ行ってしまう。ちなみに一昨日傍線を引いたのはこんな箇所。

「私たち現代人は既に西洋的な時間の果てにまで辿り着いており、以後はそうした意味での時間を超えて、より穏やかなそれへの回帰へと進んでいかねばならない」「文化には循環的な時間と逆戻りできない時間という二つの時が存在しているのではないか」

エドガール・モランという哲学者、社会学者の故加藤周一さんについての発言からの引用。翻訳は福田裕大。こうして抜き出してみると、傍線にはインデックスとしての機能もあることがわかる。昔読んだ本に引かれた傍線は、当時の自分の精神状態を思い出すよすがになる。(俊)

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