本 2

全集というものが好きになれない。作品よりも作者のほうが嵩高くしゃしゃり出てくる感じがあるからだろうか。全集を出さないかという誘いを受けたことはあるけれど、まだ書くのをやめた訳じゃないから、いま出しても全集にはなりませんと理屈をつけて遠慮した。

でも全詩集に類するものは何度か出している。これは過去の作品を1冊にまとめておくと、何かと便利だからというアーカイブ的な機能があるからで、それは当然ある時点で電子メディアに移行した。半世紀近く書き続けてきた詩が、CD1枚に収まったのが快感だった。私は身軽なのが好きなのだ。

でももし今度出すとしたら、詩も物の形をとらないで、データとしてダウンロードされるんだろうね。それは少々頼りない、本はデータを運ぶだけのものじゃないから。(俊)

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